かつて芸能界を席捲したロックグループ“レイカース"のリーダー・北森修平(世良公則)。
彼は若くしてスターの絶頂を極めたが、ある陰謀によるスキャンダルで失墜、今は名門プロダクション、サンライズ・プロの社長・伍代章造に拾われてマネージャー稼業に専念していた。
ある日修平はタレントのタマゴ・祐三子の売り出し路線をめぐって五代と衝突、サンライズ・プロを飛びだしてしまう。
祐三子だけが修平を慕ってやって来たが、先行き何の展望もない修平にとって祐三子は重荷以外の何物でもなかった。
しかしもう一人、範子との出会いが修平の一度は捨てた人生に火をつけた。
範子は原宿・代々木公園のオープン・ストーリーで踊り狂うロックンローラーの一人だった。
暇潰しに代々木公園に出た修平は、彼女を見た瞬間、職業意識も手伝って釘づけとなる。
彼女には、何か鋭利に光るものがあったのだ。
「もう一度挑戦しよう!」
自分が率いたレイカースを彼女たちに冠して“新生レイカース"をデビューさせようと決心した。
彼の情熱は、更に幸恵と沙織という二つの才能を発掘する。
その日から、想像をこえた4人のトレーニングとプロモーション活動が始まった。
修平はあらゆるオーディションに彼女たちを送りこんだ。
必要とあらば審査員に“袖の下”を掴ませることも辞さなかった。
しかし芸能界の壁は厚く、なかなか突破できなかった。
中でも矢島オフィスの社長・矢島(中尾彬)の防害は目に余るものだった。
矢島は手下を遣って修平を襲った。潰しにかかったのである。
その一方的な乱闘で修平は盲目となり、マネージメント活動ができない身体になってしまった。
修平は東京を離れた。
一方、どうしてもスターになりたい範子と幸恵(修平が襲われた事を知らない)は、力のある矢島オフィスに引きとられ、コンビでデビューすることになった。
彼女たちは新人コンクールで優勝。
大きな会場でデビュー曲を歌うことになったが、範子と幸恵の2人はそこで観客に対し、これまで育ててくれた修平の事、仲間だった2人(沙織と祐三子)の事、このデビューまでの経緯を涙を流しながら訴え、レイカースとしてここで歌いたいと申し出た。
観客のレイカース・コールが会場に轟き渡った。
「レイカース!レイカース!」
そのコールの中、範子は言った。
「聞いて下さい。“Rock'n Roll Dreams come throug”」
会場に駆けつけていた沙織と祐三子を交え、4人は歌い始めた。
修平が心血を注いで作ったあの懐かしい曲だ。
その中継を出先のTVで見た修平は、涙を流しながら旧友(平田満)や元妻(志穂美悦子)らと喜びを分かち合うのだった。
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